NPO法人黒潮実感センター
コーナーをお選びください⇒
センターの紹介 里海FAN募集 お知らせ アクセス 柏島MAP モイカ(アオリイカ)のオーナープロジェクト 体験プログラム エコツアー 柏島で海ごはん  新聞記事いろいろ Links ブログ 会員コーナー 四国1周海遍路ブログ 反田のトンボ池情報 TOP 旧ホームページ お問い合わせ先メールアドレス
新聞記事いろいろ
このコーナーの
新着トピック
2013年3月30日 高知新聞朝刊 息子は「島の子に」 最終回 2013年3月2日 高知新聞朝刊 おかげさまで10周年 2013年2月2日 高知新聞朝刊 表情?豊かな鯛の鯛  2012年12月22日 高知新聞朝刊 足摺宇和海国立公園40年 (連載記事) 2012年11月24日 高知新聞朝刊 牧野富太郎博士と柏島 2012年10月27日 高知新聞朝刊 柏島発、水族館行き 2012年9月28日 高知新聞朝刊 砂の中のハンター 2012年9月1日 高知新聞朝刊 島の防災を考える  2012年8月4日 高知新聞朝刊 「端っこ」でがんばる 2012年7月7日(土)高知新聞朝刊 「黒潮実感大賞」を創設
2007年04月27日(金) 高知新聞夕刊 島が丸ごと博物館
大月発くろしお便り(黒潮実感センター)
島が丸ごと博物館
柏島(右)近辺の見事な風景。後方は沖の島
柏島(右)近辺の見事な風景。後方は沖の島
  高知県の西南端にある周囲三・九`、人口五百人ほどが暮らす小さな島、柏島。この島の魅力は、山の上からでも海底の魚が透けて見えるほど澄んだ海と、そこに棲むたくさんの生き物たち。
 柏島の海は南からの澄んだ暖かい黒潮と、瀬戸内海から豊後水道を南下してくる栄養豊富な水とが混じり合うことで、多種多様な海洋生物の宝庫となっている。
 私と柏島との出会いは今から二十年前の学生時代。その当時柏島にはダイバーを案内するダイビングショップはなく、高知から車で来て、島の北側にある後の浜からタンクを背負って海に入った。これまで高知県内のあらゆる所に潜ってきたが、ここの海は別格だった。
 人を全く怖じない魚たち。足下からすぐに広がる色とりどりのサンゴ群。海面を覆い尽くすようなキビナゴの雲。20-30m先まで見通せるほどの澄み切った海。ここは高知の海?沖縄の海?タンクのエアが無くなるまで海から上がらなかった。後に高知大学海洋生物教育研究センターから、およそ一千種の魚類の生息が報告された。この数は日本産魚類約3800種(淡水産も含む)の四分の一にあたり、公表された記録によると日本一であった。
色とりどりの魚が群れ泳ぐ柏島の海
色とりどりの魚が群れ泳ぐ柏島の海

 人の暮らしのすぐそばに日本一多くの魚が暮らす海がある。まさに里海だと感じた。

  持続可能な里海づくり
 柏島の海に惚れ込み学生時代は魚類の研究を行うために四ヶ月間ほど島に家を借り、研究に明け暮れた。そのときに受けた島の人情にさらに柏島への想いを強くした。
 この環境を残したい。その想いから柏島に移り住み、NPO法人黒潮実感センターを立ち上げた。センターでは柏島の豊かな自然環境だけでなく、そこに住む人たちの暮らしもまとめて、「島が丸ごと博物館(ミュージアム)」と捉え、持続可能な里海づくりを目指した活動を行っている。
「里海」この言葉に私は
「人が海からの豊かな恵みを享受するだけでなく、人も海を耕し、育て、守る。」という想いを込めた。
 持続可能な「里海」の実現に向けてセンターでは大きく三つの取り組みを行っている。
一、    自然を実感する取り組み
二、    自然を活かした暮らし作りのお手伝い
三、    自然と暮らしを守る取り組み
自然を実感する取り組みでは、柏島の海で調査研究活動を行い、その成果を地元住民や柏島を訪れる観光客に還元するための里海セミナーを行っている。さらに次代を担う子どもたち向けに海の環境学習や体験実感学習を、成人向けにはエコツアーを開催し、柏島の海のすばらしさを実感してもらう取り組みを行っている。
 しかし豊かな自然環境があっても「環境だけでは飯が食えない」と言われる中で、豊かな自然環境を活用した暮らし作りのお手伝いとして、地元住民で組織している島おこしの会の方々とともに物産市「里海市」を開催したり、豊かな漁場作りのお手伝いとして、アオリイカの増殖産卵床設置事業などを地元漁業者やダイバー、子どもたちと一緒に行っている。
 豊かな自然がありそれを利用して経済が活性化していっても、一方的に海からの恵みを搾取するだけでは良い環境が残せていけない。そこで大事なのは自然と暮らしを守ること。この活動では地道な自然環境の変化を把握する調査を行ったり、サンゴや藻場の保全活動、さらには大勢訪れる観光客の受け入れ態勢を整えつつ、島独自のローカルルールとしての「柏島里海憲章」を策定し、島の環境と人々の暮らしを守っていこうという取り組みをしている。
これからの連載では柏島の人と自然、そこに棲む様々な生き物たちの魅力をお伝えしていきたいと思っている。

  柏島海中散歩
「ガイド泣かせの擬態の名手」
ピグミーシーホース(通称)
極小(ピグミー)な海馬=シーホースを意味するタツノオトシゴの仲間の総称で、日本からは正式な報告がまだ無いので和名がない。最も小さなタツノオトシゴの仲間で体長1-1.5cmほどと非常に小さく、柏島では水深25mほどの所にあるサンゴの一種ウミウチワに絡まるようにして3個体生息している。希少種でもありそのかわいらしい容姿からダイバーに大人気で、2000年に発見されてからというもの、ピグミー見たさに何万人ものダイバーが足を運んでいる、柏島のアイドル的存在である。
ピグミーシーホース
ピグミーシーホース
この魚、擬態の名手で体色はウミウチワと同色の赤色をしており、体のイボ状の突起はウミウチワの個虫が触手を閉じた形にそっくりである。このような深い海の底では赤色光が届きにくいため、海中では青みがかった薄紫色のように見え、さらに見つけにくい。またほとんど動かないので、このウミウチワに3個体いるとわかっていてもなかなか見つけにくい。水深25mだと長時間潜っていると減圧症(俗に言う潜水病)の危険性が高くなるので、早く見つけて観察するしかない。ガイド泣かせのアイドルである。
写真提供:黒潮実感センター

 「海のピカチュウ?!」
ウデフリツノザヤウミウシ
体長3-6cm
ユニークな形と色から、ダイバーの中ではピカチュウウミウシとして一世を風靡し、ウミウシウォッチングという新たなダイビングスタイルを確立するきっかけとなったウミウシ。写真下側にある先の黒い二つの突起が触角、体の中央にある黒い毛状の部分がエラでその下に肛門がある。ウミウシの仲間は雌雄同体、つまり雄雌の別がなく、右体側にある両性生殖門といわれる部分をくっつけ合って交接する。春先になるとよくくっつき合っている所を見かける。春はウミウシも恋の季節なのだろうか。
ウデフリツノザヤウミウシ
ウデフリツノザヤウミウシ

写真提供:ダイビングサービス アクアス提供

               (センター長・神田 優)






更新: 諒太 /2009年 04月 08日 15時 29分

NPO法人黒潮実感センター