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2010年4月23日(金)高知新聞夕刊 柏島泳ぐ鯉のぼり
大月発 くろしお便り(黒潮実感センター)

            柏島の鯉のぼり
本日、快晴。北西の風、風速10m。高さ15mのヒノキざおが強い風を受けてゆっさゆっさと揺れ、さおの先に付けたかご玉と矢車が壊れんばかりに回っている。今日も風が強くて大丈夫かなぁと思いつつ、吹き流し、真鯉、緋鯉、子鯉の順に揚げていく。
大きな口から強い風をのみ込むと、それまでぺったんこだった無生物の鯉がまるで生きているかのように大きく泳ぎ出す。暴れる鯉に手を焼きながら一つ一つ揚げていくと、ロープが手のひらに食い込んでかなり痛い。これがこのところ毎日の私の仕事だ。
地上15mの高さは屋根はもちろん電信柱より高く、太陽の光を受けてきらきらと輝きながら泳ぐ鯉のぼりを見上げると幸せな気分になる。
 次はフラフだ。フラフとは端午の節句のお祝いの印として、鯉のぼりと一緒に揚げる大きな絵旗のこと。「フラフ」の語源は、オランダ語で旗という意味の「VLAG(フラフ)」が土佐流に訛ったと言われているが、英語のFlagにも似ている。
大漁旗から着想したとも言われ、高知市から東部の海岸沿いで主に揚げられ、西部では幟が主流のようだ。
子供の健やかな成長を願って作られるフラフは土佐の風物詩で、4月も半ばに入ると風にのってなびく勇壮な姿が 多くみられる。原色の色遣いは近くで見るとちょっと派手派手しく見えるが、さおに揚げ五月晴れの真っ青な高知の空をバックにすると、本当に良く映えて美しい。
柏島の強い潮風をはらみ優雅にはためく鯉のぼりとフラフ
柏島の強い潮風をはらみ優雅にはためく鯉のぼりとフラフ


              3月から揚げる 
 柏島に越して来た当初からずっと疑問に思っていたことがある。なぜ、幡多の鯉のぼりは3月から揚がっているのか? 3月3日の桃の節句が終わるやいやな、幡多では鯉のぼりを揚げるところが出てくる。何と気の早いことかといつも思っていた。
柏島の人にそのことを聞いてみたところ、「4月、5月の頃はモジャコ(ブリの稚魚)漁で沖に行かないかんけん忙しいがよ。そんな時期に鯉のぼりのさおを建てたりすることはできんけん、早う建てるがよ」とのことだった。
鯉のぼりの揚げる時期一つ取ってもその土地土地における仕事や行事と深く関連しているんだなと納得した。真偽の程は確かではないが、なるほどと腑に落ちた

              揚げ方を工夫
 五月晴れの空に舞う鯉は美しいが、柏島のようにいつも風が吹いているところばかりではない。風があまり吹かないときはだらんとしている鯉もよく見かける。そんな日でもきれいに鯉を泳がそうと色んな工夫がある。
大月町や宿毛市でよく見られるのは、さおを2本建て、その間にやや斜めにロープを張り、鯉のぼりならぬ鯉つるし方式で建てているところが多い。これだと風が無い日も鯉が絡まなくてよく見える。
また別な方式で建てているところもある。ヒノキのさおと別にもう一本、竹ざおを使う方法だ。
ヒノキのさおの途中に斜めになるように竹ざおをつり上げ、その先からのばしたロープに順に鯉のぼりを取り付ける。竹ざおをヒノキのさおに対して、時計の1時〜2時の角度になるように調整すると、風のない日にぶら下がって絡まず、風のある日にもよく泳ぐという。
愛媛県宇和島市で手染めの鯉のぼりを制作している黒田旗幟店によると、宇和島あたりではこのやり方で鯉のぼりを揚げるそうだ。宇和島文化圏が混じる宿毛市でも見かける。
さおから斜めに張ったロープに付けられた鯉のぼり(大月町弘見)
さおから斜めに張ったロープに付けられた鯉のぼり(大月町弘見)

宇和島方式による鯉のぼり(宿毛市)
宇和島方式による鯉のぼり(宿毛市)


               新たな名物に?
 もうすぐゴールデンウィーク。柏島には今年も県内外から多くのダイバーや釣り客がやってくる。島の玄関口とも言える稲荷神社の横に、今年は原色のフラフと鯉のぼりが潮風をはらんで優雅にはためいている。
 真っ青な空に、エメラルドグリーンの海。港から出港していくダイバーの目を楽しませることだろう。
 子どもの健やかな成長を祈りつつ、今日も強風で手に食い込むロープを握りながら鯉のぼりを揚げる。
海から見た柏島の鯉のぼり
海から見た柏島の鯉のぼり

見上げると目が合ったような気に
見上げると目が合ったような気に



            (センター長・神田 優)
更新: きのこ /2010年 06月 07日 10時 29分

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